【急な手術でも安心】初めての入院に備えた準備や費用について解説

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病気やケガで入院が必要になると、どれくらい費用がかかるのか、何を準備したらいいのか不安という人も多いでしょう。入院するときには入院費や日用品の準備、仕事の調整などさまざまな手続きが必要です。

ここでは、傷病ごとの手術費用の相場と入院費用の目安を解説し、自己負担額を軽減する方法についてご紹介します。

この記事を読めば、初めての手術や入院で不安を抱いている人が、安心して入院生活を送るための必要な情報がわかります。

手術の費用相場

手術費用は病院や地域、手術内容によって大きく異なります。全国平均や「一律でこの金額」といったデータはありません。しかし病院によっては、ウェブサイト上で手術費用の概算を公開しているところがあります。以下の表では、1つの病院の主な手術の概算額をまとめました。

中電病院

疾患名手術名/治療法入院期間3割負担の場合金額
大腸ポリープ内視鏡的大腸粘膜切除術2〜4日約5万円
急性心筋梗塞経皮的冠動脈形成術(ステント留置術)5〜15日約30〜40万円
乳癌、乳腺腫瘍乳腺腫瘍摘出術3日約7万円
乳腺悪性腫瘍手術15日約30万円
胃癌胃切除(悪性)10日約20〜35万円
胃切除(悪性)+胆のう摘出術約35〜50万円
腹腔鏡下胃切除術(悪性)約48〜50万円
胃全摘(悪性)+胆のう摘出術14日約50〜60万円
虫垂炎腹腔鏡下虫垂切除術4〜8日約15〜20万円
結腸癌結腸切除術(悪性)10日約30〜40万円
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術約35万円
直腸癌腹腔鏡下直腸切除・切除(高位)10日約45万円
腹腔鏡下直腸切除・低位前方切除術14日約55万円
下腿骨骨折骨折観血的手術50日約30万円
上腕骨骨折骨折観血的手術14日約25万円
腰椎椎間板ヘルニア椎間板摘出手術30日約40万円
子宮頸癌・子宮体癌子宮悪性腫瘍手術12〜14日約43万円
子宮頸部前癌病変子宮頸部(膣部)切除術(円錐切除)3〜4日約7万円
子宮筋腫子宮全摘術(開腹)10〜12日約24〜27万円
子宮全摘術(腹腔鏡下)6〜8日約28万円

参考:中電病院「手術費用等概算一覧表」より一部抜粋

入院の費用相場

突然の事故や病気で入院することになった場合、どれくらい入院費用がかかるか気になりますよね。

国民健康保険や健康保険(被保険者保険)などの「公的医療保険」に加入しているため、入院したときの自己負担額は医療費の1割〜3割負担となります。

医療費の自己負担額が1割〜3割で済むとはいえ、長期入院となればその分だけ入院費用は高くなります

生命保険文化センターによる調査データを元に、入院時にかかる費用相場の平均をまとめました。

入院したときの自己負担費用の平均

高額療養費制度の利用有無に関わらず、入院経験がある人が支払った入院費用の平均は19万8,000円でした。

「10万〜20万円未満」が33.7%と最も多く、次いで「5万〜10万円未満」の26.5%、「20万〜30万未満」の11.5%となっています。

引用:公益財団法人生命保険文化センター「2022年(令和4)年度 生活保障に関する調査」調査結果 第Ⅱ章医療保障

使える制度と手続きの方法

医療費の負担を軽減する公的な制度には、「高額療養費制度」と「医療費控除」があり、どちらも医療費の自己負担額が戻ってくるしくみです。

ここでは、医療費が高額になったときに活用できる公的制度について解説します。

制度申請先対象となる期間医療費の範囲関係する内容
高額療養費加入先の医療保険者月初め〜月末の1ヶ月保険適用分の治療費医療費の払戻し
医療費控除税務署1/1〜12/31の1年間保険適応内・外の治療費税金の控除

高額療養費制度を使えば自己負担額を抑えられる

高額療養費制度とは、医療費が一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻しされる制度です。

対象となるもの

  • 保険適応内の治療費

対象外となるもの

  • 先進医療
  • 正常分娩の出産費用
  • 入院中の食事代や差額ベッド代(個室)
  • 自分でドラックストアなどで購入した市販薬など

高額療養費制度の知っておくべきポイント

  1. 予定入院は月をまたがないようにする

対象となる期間は1ヶ月です。そのため計算はその月以内で行います。入院期間が月をまたぐと別の計算になるため、減額基準に届かなくなる場合があります。

  1. 事前申請で最初の出費も安くなる

最初の高額出費もかなり負担となります。役所に事前に申請して限度額認定書をもらうと、最初から安くなります。

  1. 自己負担の上限額は年齢や所得によって変わる    

高額療養費制度の対象となる1ヶ月の自己負担額は、年齢や所得に応じて変わります。

高額療養費の自己負担限度額

支払いの上限額(69歳以下)

適用区分ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000)×1%
年収約770〜約1,160万円167,400円+(医療費−558,000)×1%
年収約370〜約770万円80,100円+(医療費−267,000)×1%
〜年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円

引用:高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省保険局)

申請方法

  • 各市町村の役所
  • 健康保険加入者は勤務先の総務課などでもできることがある

申請に必要な書類も自治体によって変わってきます。協会けんぽ各市町村サイトで確認しましょう。

医療費控除で払いすぎた税金を取り戻す

医療費控除とは1年間に払った医療費が一定額を超えた場合その一部が所得税から控除される制度です。

対象となるもの

  • 正常分娩の出産費用、入院中の食事代、差額ベッド代のうち治療上必要なもの
  • 医療機関までの交通費(公共交通費)
  • 治療に必要なものであれば薬局やドラッグストアで購入した風邪薬や胃腸薬

控除される金額

⚪️所得200万円以上の場合
医療費控除額=医療費の合計額−保険金等の金額−10万円
⚪️所得200万未満の場合
医療費控除額=医療費の合計額−保険金等の金額−年間所得の5%

医療費控除を申請できる条件

医療費控除を申請するときは確定申告を行います。また、申請するためには3つの条件を満たす必要があります。

  1. 納税者(控除を申請する人)自身または生計を一にする配偶者やそのほかの親族のために支払った医療費などであること
  2. その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費などであること
  3. 実際に支払った医療費などから、生命保険の入院給付金や高額療養費など「受け取ったお金」を差し引いた金額が原則10万円以上であること

医療費控除必要な書類は以下の3点です。

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(会社員の方)
  • 医療費明細書

確定申告時に税務署に提出します。

入院するときの準備するもの

病院ごとに「入院時の持ち物リスト」は違います。また、入院予定期間や入院理由、性別によっても準備すべきアイテムは変わってきます。まずは、病院側にどのような持ち物が必要か確認しましょう。

いざ入院してから「あれも必要だった!」と気づいて、何度も家族や知人にお願いするのは申し訳ない気持ちになります。ここでは突然の入院で何を準備したらいいかわからない人に向けて、持ち物についてまとめました。

健康保険証

健康保険証を提示しなければ、一時的に医療費が全額負担になってしまうため、忘れずに持参しましょう。

処方薬とお薬手帳

普段服用している薬がある場合、入院のときに必ず持っていきましょう。

お薬手帳は、服用中の薬を確認したり入院中の処方を決めたりする目的で使用します。

着替えやタオル

着替えやタオルは何枚か予備を用意しておくと便利です。タオルはハンドタオルかフェイスタオルのサイズのものが良いでしょう。

洗面用具・歯ブラシ・コップ

歯ブラシや歯磨き用のコップは病院に置いていないことが多いため、持参しましょう。

ティッシュ類(ボックスティッシュ・ウエットシート・除菌シートなど)

ティッシュペーパーは入院時に量を消費します。ボックスタイプのものと、ウエットシートや除菌シートがあると便利です。

イヤホン・充電器

イヤホンを使うことで同室者の迷惑にならずテレビを楽しめます。また最近は、院内でのスマホや携帯電話の使用OKという病院も増えてます。充電器は忘れないようにしましょう。

ただし、スマホや携帯電話の使用に関しては、病院ごとにルールが異なるため事前に確認が必要です。

小さめのバック・エコバック

院内を移動する際に持ち歩ける小さめのバックがあると便利です。

ビニール袋(持ち手つき)

ゴミ袋や汚れた衣類を分けておくのに便利なので、多めに準備しておきましょう。

S字フック

ベッドサイドにフックを取り付けることでビニール袋を引っ掛けて簡易のゴミ箱にしたり、小さめのバックやイヤホンなどをかけて管理したりすると、利便性が上がります。

現金

入院時には、ある程度の現金を持っておくと安心です。備え付けのテレビや冷蔵庫を使うためのカードを購入したり、コインランドリーを利用したりするときに必要になります。機械によっては小銭しか使えない場合もあるので、あらかじめ用意しておくと良いでしょう。

ただし、不特定多数の人が訪れる病院では、持っていく現金は必要最小限にとどめて、盗難や紛失に注意が必要です。

まとめ

病気やケガによる入院は予期せぬタイミングで訪れるものです。手術や入院にかかる費用を事前に把握して準備しておくと安心です

いざというとき慌てないためには、負担を軽減するためにどのような制度や方法があるのか、自分には何が利用できるのか知っておくことが大切です。

今回ご紹介した「高額療養費制度」「医療費控除」を活用すれば、手術・入院費用の自己負担を軽減することができ、条件を満たすと払いすぎた税金を取り戻せるでしょう

また入院生活に必要なものを忘れずに準備して、入院する日を迎え病院で感じるストレスを少しでも軽減しましょう。

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